「活性次亜水」について
1.安全性に関する説明・・・(活性次亜水「RUS ウォーター」Q&Aより)
水で薄めただけの次亜塩素酸ナトリウム水溶液中の遊離有効塩素はアルカリ性であり、殺菌力の弱い次亜塩素酸イオン(clo-)の状態で存在しています。これに酢酸を加えると、次亜塩素酸イオン(clo-)に酢酸の水素イオン(H+)が結合し強力な殺菌力を持つ弱酸性の次亜塩素酸分子(Hclo)を主成分とした水溶液に変化します。(Hclo)は(clo-)に比べて80倍の殺菌力があるといわれています。そのため(Hclo)を主成分とした活性次亜水は次亜塩素酸ナトリウム水溶液よりも強力な殺菌力があります。(*1 文献)
一般的に次亜塩素酸ナトリウムの殺菌力は、温度が 10 度上昇すると、2~3 倍強くなることが知られています。したがって活性次亜水の殺菌力も温度を 10 度上げると約 2.5 倍となります。しかし、60 度以上に加温すると短時間で分解してしまうため注意が必要です。
消毒用アルコールとして最も殺菌力があるとされている70%エタノールは、中程度の殺菌力といわれ耐性菌が出来たり、芽胞菌やノロウイルスには有効ではありません。
これに対して活性次亜水は耐性菌を作らず、耐熱性の芽胞にも大変強い殺菌効果を示します。また、アルコールを用いた手指の殺菌ではどうしても手荒れが起きてしまいますが、弱酸性の活性次亜水は皮膚のPHと同等に調整されていますので、手荒れを起こすことがありません。
活性次亜水の濃度低下は次の要因で起こります。
1.有機物に触れることによる分解(殺菌効果を発揮した後速やかに分解する)
2.紫外線による分解(光の当たるところで保管すると短期間で分解する。)
3.加温による分解促進(60℃以上に加温すると分解が促進される。)
4.希釈(薄める度合いに比例して濃度は低下する。)
これらのことを踏まえて遮光密閉で保存した場合には、1年以上有効濃度を維持することが分かっています。
活性次亜水は以下のような現場で使用されています。
● カット野菜工場で野菜の殺菌処理及び手洗用水として
● 魚の加工場で魚類及び工場全体の殺菌剤として
● 卵の加工場で卵の殺菌水として
● 寿司屋さんのまな板やショウケースの除菌用として
● 飲料工場で飲料ボトル及び、輸送タンクの殺菌剤として
● 保健施設の施設内感染予防用として
● 病院や診療所の院内感染予防用として
● 動物実験施設の消臭目的として
● 血液透析施設で透析装置内配管の洗浄消毒用として
● 一般家庭の総合除菌剤として
活性次亜水の安全性について
活性次亜水は、塩酸などの無機酸を用いてPH調整を行った次亜塩素酸Naや、次亜塩素酸Naの希釈水(アルカリ性)、電解強酸性水、オゾン水等と比較して圧倒的に金属腐食性が少ないです。これは塩素濃度が低い(50ppm)、pH調整が確実に行われている(pH5.5)、有機酸が金属表面の酸化皮膜形成を助けることなどからです。
pH 調整用の酸として酢酸を使用する理由には
1. 塩酸による pH 調整に比べ塩素ガスの発生率が低い。
2. 食品添加物に指定されている。
3. 金属表面の酸化皮膜形成を助けるため、長期の使用においてステンレス配管を痛めない。
なお、塩酸を使用して作成することも可能ですが、塩素ガスの発生リスクが高いため金属腐食や作業環境に対する欠点があります。
活性次亜水は低濃度で使用されるため、トリハロメタンの生成には関与しません。
日本の水道法により、「水道水には給水栓末端で 0.1~0.4PPM の次亜塩素酸ナトリウムが含まれていなければならない」と規定されていますが、その昔、水道水の生成過程において汚れたままの河川水に高濃度の次亜塩素酸ナトリウムを添加して、トリハロメタンが生成されてしまい問題視されたことがありました。そのため現在はフィルターなどで1次処理を施した水に次亜塩素酸ナトリウムを添加するように変更し、トリハロメタンは生成されなくなりました。
活性次亜水は、細菌・有機物に接触すると短時間で分解しほとんど残留しません。したがって、通常の殺菌用途に使用される濃度と量では浄化槽の有用微生物にダメージを与えません。(大量排水の場合は調査が必要になる場合があります。)これに対し、一般の次亜塩素酸ナトリウムは濃度に比例して残留時間が長くなるため、浄化槽に影響を与えてしまいます。
活性次亜水は殺菌剤ですので飲んではいけません。しかし誤ってのんでしまっても、大量でない限りは胃腸に達する前に有機物と反応して殺菌力は消失します、そのため体内の有用菌類にはほとんど影響を与えません。
活性次亜水には引火性がありません。コンロの周りでスプレーしても問題ありません。
活性次亜水の特徴について
次亜塩素酸ナトリウム(アルカリ性)を水(中性)で薄めれば薄めるほど限りなく pH7 に近づきますが、酸性に変わることはありません。理論的には、pH13 のものを 10 倍、100 倍にすると、pH12、11、…と変化していきます。活性次亜水は次亜塩素酸ナトリウムを酢酸によって弱酸性に調整したものです。
活性次亜水の原料は、全て食品添加物です。食品工場で包丁やまな板を初め、飲料用ボトルの殺菌や、野菜、魚の直接殺菌に使われています。また、病院では血液透析機器の配管内消毒や、院内感染予防に広く応用されています。
消毒用アルコールとして最も殺菌力があるとされている 70%エタノールは、中程度の殺菌力といわれ耐性菌が出来たり、芽胞菌やノロウイルスには有効ではありません。これに対して活性次亜水は耐性菌を作らず、耐熱性の芽胞にも大変強い殺菌効果を示します。また、アルコールを用いた手指の殺菌ではどうしても手荒れが起きてしまいますが、弱酸性の活性次亜水は皮膚のPHと同等に調整されていますので、手荒れを起こすことがありません。
活性次亜水は通常 50ppm pH5.5 で使用されますが、長期保存によって濃度が低下してしまった場合でも殺菌効果は残存しています。50ppm の活性次亜水は消費期限の目安として 6 ヶ月と表示されていますが、6 ヶ月で突然使えなくなってしまうものではありません。時間の経過とともに少しずつ濃度は低下しますが、例えば 20ppm にまで濃度が低下した場合でも、ノロウイルスを簡単に不活化する能力を維持しています。保存実験では、遮光密閉で保存された活性次亜水は 1 年以上有効濃度を維持することが確認されています。
肌荒れも無く、残留毒性もほとんど無い活性次亜水は皮膚にかけて用いることも可能です。しかし、活性次亜水は医薬品として登録された消毒剤ではありませんので、治療行為に用いる場合には医師の判断および、患者への十分な説明と同意が必要となります。例えば自身の判断で自分の水虫治療に用いて十分な効果があったからといって、他者への効果を保障することは出来ませんので、この点を十分注意しなければなりません。
2.活性次亜水はアレルゲンではありません
アレルギーをひきおこす原因物質(抗原)を「アレルゲン」と言い、アレルゲンとなるのは特定の物質中に含まれるタンパク質または糖タンパクであることがほとんどで、それが人体を構成するタンパク質とは異質(異種タンパク質と呼ぶ)であるため、排除の原理が働いて抗体が産生され、それによって過剰な免疫反応であるアレルギー症状を起こすと考えられている。その意味では、体内に入っても異物として認識され得ないものは、アレルゲンにもなり得ないと考えられている。たとえば水や塩などは抗原にもアレルゲンにもなり得ない。
「食品衛生法」によって定められ、施行された「食品表示法」によれば
<義務品目>特定原材料 7 品目
必ず表示されるものは、『卵・乳・小麦・そば・落花生(ピーナッツ)・えび・かに』です。
また、追加通知で表示を奨励する特定原材料に準ずるものは以下の20品目
『いくら、キウイフルーツ、くるみ、大豆、バナナ、やまいも、カシューナッツ、もも、ごま、さば、さけ、いか、鶏肉、りんご、まつたけ、あわび、オレンジ、牛肉、ゼラチン、豚肉』
*活性次亜水は タンパク質でも糖タンパク質でもないので、食品衛生法に基づくアレルゲンには含まれません。
また、食品添加物の次亜塩素酸ナトリウムと、同じく食添の酢酸の混合水溶液ですが、食品添加物のアレルゲン物質にも記載がありません。
*その他アレルゲンに関する情報『レファレンス協同データベース』(下記)によっても、「次亜塩素酸ナトリウム」「酢酸」、「次亜塩素酸」は存在しません。
https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000253451(参照)
提供館(Library)
岡本県立図書館(2110029)管理番号(Control number)
M19011910104778事例作成日(Creation date)
2019/01/9登録日時(Registration date)
2019年03月21日 00時30分更新日時(Last update)
2020年03月28日 00時30分
①『チャイルドヘルス 2017 年 8 月 Vol.20 No.8 特集 気づかれにくいアレルギー』
特集の1項目に「食品添加物によるアレルギー」についてまとめられている。
ここでは2つに大別し、「卵アレルギー患者における卵殻 Ca などの、既存の食物アレルギーが関与する食品添加物(中略)多くのアレルゲンは、天然成分由来のもの」と「エリストールなど既存の食物アレルギーとは関係なく症状を誘発する食品添加物のアレルギー(中略)人工的に合成されたもの」とある。
「食品衛生法」でその定義や食品表示法が定められており、重い症状を起こす可能性のある、必ず表示される7品目:特定原材料(卵、乳、小麦など)や、表示されることが望ましい20品目:特定原材料に準ずるもの(いくら、キウイフルーツ、くるみなど)が表示されている。本書では特定原料等由来の添加物のうち一部(カゼイン、グルテン、ゼラチンなど 15)を一覧表にして解説している。
さらに人工的なものの代表的な添加物として、抗酸化剤(BHA、BHT)、食品色素(アナットー、タートラジン)、増粘剤(グアーガム)、亜硫酸塩剤、安息香酸誘導体、エリストール,コチニール色素を取り上げ、症例とともに解説している。
②『総合アレルギー学』
p.597「食物アレルギーに関連する物質」の表がある。この中に食品添加物として、「着色料:黄色 4 号,黄色 5 号,赤色 2 号,赤色 102 号、保存料:安息香酸化合物,パラベン、酸化防止剤:亜硫酸化合物、漂白剤:亜硫酸水素ナトリウム、発色剤:亜硝酸塩、着香料:ベンジンアルコール」が挙げられている。
③『アレルギーを防ぐ 37 の真実』
「食品添加物が食物アレルギーを起こすという現実」という項目において、合成着色料でタール色素の赤色 102 号、黄色 4 号、黄色 5 号について記載されている。保存料の安息香酸ナトリウムやパラベン(パラオキシン安息香酸類)にも触れている。
消費者庁 ホームページに「アレルギー表示に関する情報」が集約されているので、食品表示に関わる最新情報はこちらを参照してほしい。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/
厚生労働省 ホームページに「食品添加物」について項目があり、添加物のリスト等が掲載されている。最新はこちらを参照してほしい。関連情報のリンクもある。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/index.html
回答プロセス(Answering process)
事前調査事項(Preliminary research)
NDC
内科学(493 9版)参考資料(Reference materials)
①金子英雄「食品添加物によるアレルギー」『チャイルドヘルス』Vol.20 No.8,2017.8,p.6-11.キーワード(Keywords)
アレルギー照会先(Institution or personinquired for advice)
寄与者(Contributor)
備考(Notes)
M2019011910113704778調査種別(Type of search)
内容種別(Type of subject)
質問者区分(Category of questioner)
全年齢登録番号(Registration number)
1000253451解決/未解決(Resolved / Unresolved)
3.活性次亜水のSDS(参考)